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【母】来客に過剰反応

介護
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UnsplashChris Lawtonが撮影した写真

むっちです。

先日従姉妹から電話がありました。

「お父さんの遺影を、そちらの仏壇にも置いてほしいから持っていくね。
それから、来月納骨する日に来て欲しいの」

先月亡くなった叔父は、お墓は建てないことにしていました。
永代供養してもらえるお寺さんに納骨が決まっています。

確認すると、従姉妹が来る日は平日、納骨は来月の土曜日です。
来月の土曜ならまだ休みを申請することができるから大丈夫。

今週の平日はもう休むことはできないから、母に対応してもらうしかない。
まあ大丈夫だろう、と思い母に伝えると、急に表情が曇り、更に意外な反応。

「私はもう向こうには行かない!それにこっちに来てもらっても困る!!」

むっち
むっち

一体どうしたの?!

先月叔父が急死した際、母は連絡をもらった翌日と火葬、葬儀で3日間出向きました。
火葬と葬儀が日をまたいだので、私達はホテルに一泊しました。

私も一緒に行ったので、移動中もホテルに泊まるのも母は気楽にしていたんです。
火葬の時も葬儀も、集まるのはよく知ってる顔ぶれだし、弟が亡くなったとはいえずっと和やかな感じでした。

なのに何をそんなに怒っているんだろう??

「葬式が終わったら、あと帰れ、みたいに食事も出されないし、あんな扱いはひどい。
こっちは3日間も行ってるし、わざわざ泊まってるじゃない!」

というのです。
葬儀の後、会食の席は設けずに終わりました。
地域によって葬儀の後の流れというのは違うのでしょうが、私の住んでいる地域では、大抵会食がありました。
母が今まで出た葬儀で、近しい親族であれば会食がなかったことは無いでしょう。
もちろんうちで葬式を出した時も、高価なお膳を用意してきました。

でも会食というのはコロナ禍でほぼなくなりました。
これはとても良い変化だったと思います。
パンデミックでもない限り、容易に変わるような慣わしではなかったでしょう。

お膳を用意すればその分費用がかかりますし、その席に座るとなれば、声がかかった方も香典の包み方が違ってきます。
もちろんすぐ終わるわけではないし時間も取られるわけで、私としては会食がなくなるという流れは大助かりです。

今までが大袈裟にお金をかけすぎだったのです。
故人の家族の立場で言えば、ただでさえ家族が亡くなって不安だったり、慣れない通夜や火葬、葬儀で疲弊しています。
正直その後の様々な手続きがまだまだあるわけです。
向こう1週間くらいは悲しむ暇すらないのです。
省けることがあるならば省いてしまいたいのが本音です。

コロナ禍で、世の中の慣習が変わったんだよ、失礼なことではないし、今までがやりすぎだったくらいだよと母には伝えました。
その家々によってやり方は様々なんだとわかってもらいたかったんです。

でも母の中では葬儀の後の会食は当たり前、食事も出ないなんて、失礼なことをされた、という思いなのです。

「あの子たちが来ても、どんな態度を取るかわからないよ!
納骨にも行かない!もう2度と行かないって決めたんだ!」

などと乱暴なことを言い出す始末。

でも本来の母は、他人にそんな態度を取るような人ではないのです。
例え心の中で、失礼だなと思っていたとしても、顔にも態度にも出すことは無いんです。

むっち
むっち

姪っ子にそんな態度取らないでね。
お母さんはそんな人じゃないよ。

このやりとりをしたのは夜で私も疲れていたし、あまりに頑固に言い張る母に感情的になってしまいました。
非常にモヤモヤとした気持ちで布団に入りました。

翌日、母はこのやりとりに関しては何も言いません。
短期記憶がないから忘れてしまったのかな。
なら触れるのはやめよう。

休みだったので二人で買い物に出かけ、食材を見て回っていると母が

「あ!明日のお茶菓子何か買わないと」

従姉妹が来ることを覚えていたのも驚きましたが、あんなに嫌がっていたのに受け入れているのにも驚きです。
でもそこは平静を保って、

むっち
むっち

そうだねー、何か買って行こう。
お茶菓子一つとお茶出したらいいからね。

と返しました。
余計なことを言って、また嫌な気分を再燃させたくなかったからです。

翌朝、受け入れたつもりでも夜は心配のせいで一睡もできなかったという母。
私の想像の何倍もストレスがかかっていることをあらためて知りました。
自分一人で、来客に対応できるか不安らしいのです。

朝のうちに、お盆にお茶菓子を乗せたお皿などをあらかじめ用意しておきました。
少しでも、心配を減らしてあげたくて。

午前中には来ると言っていたので、お昼の休憩時間に電話をしてみました。

むっち
むっち

何時頃きた?どうだった?

「確か11時前にきて、仏様拝んでお茶飲んで帰ったよ。心配してくれてありがとう」

ストレスから解放された、明るい声でした。

しっかり者で、父がよく職場関係の人たちを家に呼んでいた(しかも大人数)ので来客の対応には慣れっこだった母を、従姉妹が来るだけのことでこんなに心配しなければならない日が来るとは思いもしませんでした。
本人が一番不安で、不安から怒りの感情が強く出るというのも今回よくわかりました。

認知症にまつわる症状は、人それぞれ違うでしょうし、シーンによって現れる症状も違いそうです。
母が心穏やかに過ごせるようにしたいけれど、それに気をつかうあまり私自身が疲弊してしまうことも気をつけたいなと思ったのでした。

どなたかのお役に立てば幸いです。

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